@article{oai:kansai-u.repo.nii.ac.jp:00009467, author = {斉藤, 了文 and Saito, Norifumi}, issue = {2}, journal = {関西大学社会学部紀要}, month = {Mar}, note = {We propose the concept "dynamic maintenance", which will be the key concept of 'safety' and 'sustainability'. And we forge the concept 'maintenance' through analyzing many cases. この小論では、「安全」「持続可能性」の両者を統合する概念として、「ダイナミック・メンテナンス」という概念を提案する。さらに具体的な事例を通じて基本的な論点を取り出すことによって、『メンテナンス』概念を鍛えることを目指す。ただ、上から概念枠をはめていくというよりも、身体、人工物、組織などに検討対象を拡大することによって、ごく当然と見なされる事例を集積、分類して、特徴的な性質を「見いだす」という方針で論じていく。メンテナンスの第1のポイントは、精密には予測していない問題に、事後的に対処するという視点である。一般化して言えば、社会システムの制度設計を考える上で、創業やイノベーションの重要性は認めつつ、それを補完する日常的な守成や維持の活動がもつ意義を重視するのである。本研究の第2のポイントは、同一性の維持への着目である。例えば、経済的な測定に乗りやすい(しかも市場での取引の枠組みに乗りやすい)フローを問題にするよりも、維持さるべき主体となるシステムの方をより重視するという視点の提示が「メンテナンス」概念が提案するもう一つのポイントになる。例えば、環境問題に関して、このポイントを強調してみる。これは、廃棄物の規制基準を「科学的に」どう決めるか、というよりも、廃棄物を出し、その影響を被るシステムそのものの変化や改変に視点を置いて、環境問題を考えようという試みである。さらに、本研究の第3のポイントは、外部環境に対応するといっても、外部からの影響をコントロールするだけでは済まない。それを受け入れる組織内部の対応(例えば、取引費用と呼ばれるコスト)を考える必要がある。例えば、「まちづくり」に代表される社会との関わりに関しても、メンテナンスという視点があり得る。つまり、まちを良くするためにどのような新たなイベントを導入するかということに焦点を合わせるよりも、古くからあるまちの同一性を保ちつつ、新たな「異物」をどう取り込むかという視点を提示する。この研究の補足的な特徴は、現実に様々な仕方で使われている概念の意義を探ることによって、哲学的考察の種を見つけていくことにある。実際、医療、情報など哲学的な考察が進んでいるテーマについては、様々な理解の枠組み、理論的考察が提案されている。この小論では、哲学的な考察が進んでいない混沌の状態から哲学的問いとして採り上げるべき問題を、要求仕様の定義をするような仕方で取り出そうと試みている。}, pages = {5--69}, title = {ダイナミック・メンテナンスの概念}, volume = {40}, year = {2009} }