@article{oai:kansai-u.repo.nii.ac.jp:00009064, author = {宇惠, 勝也 and Ue, Katsuya}, issue = {4}, journal = {關西大學商學論集}, month = {Oct}, note = {企業が外部から資金を調達する場合,複数の銀行との間で貸付契約を結ぶことがある.本稿では,Bernheim and Whinston(1986)および伊藤(2003)第8章の分析に依拠しながら,二つの銀行が共通の借手である企業と貸付契約を締結する場合の最適契約設計の問題を分析した.内在的な共通エージェンシーの状況を想定し,その状況下における2行の貸付契約を巡る競争を理論的に考察した.二つの銀行と企業の間ですべての情報が共有知識となっているという意味で対照情報のケースに分析を限定し,企業の投資行動に対する銀行の選好が一致する場合と一致しない場合の各々について均衡の性質を調べ,以下の結果を得た.まず,均衡は両方の場合に共通して,(i)複数均衡が存在する,(ii)企業がレントを獲得する可能性がある,(iii)企業の均衡投資行動は効率的である,という性質を持つことが,本稿のモデルにおいても確認できた.次に,企業の投資行動に対する銀行の選好が一致する場合,2行は非協力的に契約を提示するが,結果的には,両者がともに選好する投資を企業に選ばせることに成功する.これに対して,企業の投資行動に対する銀行の選好が一致しない場合には,次の結果が得られた.効率的な投資を選好する銀行1は,非効率的な投資を選好する銀行2に対抗するために貸付利子を減らし,その結果,企業は均衡においてレントを獲得することになる.他方,銀行2は,非効率的な投資を企業に選択させようとして貸付利子を減らす結果,本来選好する非効率的な投資よりもむしろ効率的な投資が選ばれることの方が望ましくなる.これは,銀行が1行のケースでは得られない結果である.最後に,本稿のモデルには多くの均衡が存在することが示されたが,そのなかでも特に「誠実な均衡」に焦点を合せた分析をおこない,次の結果を得た.誠実な均衡においては,均衡投資行動は効率的であり,また,各銀行の効用値はその銀行の限界貢献値に等しくなっている.これはBergemann and Välimäki(2003)の分析結果と整合的である.}, pages = {33--44}, title = {共通の借手と最適貸付契約}, volume = {53}, year = {2008} }