@article{oai:kansai-u.repo.nii.ac.jp:00009016, author = {宇惠, 勝也 and Ue, Katsuya}, issue = {4}, journal = {關西大學商學論集}, month = {Oct}, note = {本稿では,Laffont and Tirole(1993)第1章の分析に依拠しながら,逆選択(アドバース・セレクション)とモラル・ハザードが共存するモデルを構成し,銀行(プリンシパル)が企業(エージェント)と貸付契約を締結する場合の最適契約設計の問題について検討した.モラル・ハザード(企業の収益性向上努力を観察できない) およびアドバース・セレクション(投資プロジェクトの効率性に関する情報上の劣位)の下で,銀行は収益性向上の推進と企業へのレント削減というトレードオフに直面する.企業は,有利な投資機会を持つ(効率的な)企業と有利な投資機会を持たない(非効率的な)企業の2種類のタイプに分類される.銀行が企業と契約を締結するに当って,取引する企業のタイプがどちらであるかは企業のみが知っており,銀行にはわからない.企業のタイプが企業の私的情報となっている.また,投資収益は企業のタイプのみならず,企業の収益性向上努力にも依存する.投資収益を向上させる努力を企業がどれだけするかは銀行にとって観察不可能であり,企業の努力もまた企業の私的情報となっている.ただし,銀行も企業も共に,銀行が取引する企業のタイプが効率的である確立がどれだけであるかは知っているものとする.本稿の分析を通して得られた主要な結果の一つは,銀行が取引する企業が非効率的なタイプである可能性の上昇は,非効率的なタイプの企業の努力水準と,効率的な企業の受け取るレントとを共に増加させる方向に作用するというものである.このような結果が得られたのは,企業が非効率的である可能性が高まると,銀行が効率的なタイプの企業に与えなければならないレントの期待値が低下するため,銀行は非効率的なタイプの企業のインセンティブを強め,より効率的な努力水準を選択させるようになるからである.}, pages = {35--50}, title = {逆選択、モラル・ハザードおよび最適貸付契約}, volume = {52}, year = {2007} }