@article{oai:kansai-u.repo.nii.ac.jp:00008696, author = {竹下, 公視 and Takeshita, Koshi}, issue = {3}, journal = {關西大學經済論集}, month = {Dec}, note = {現代中国の社会経済システムの特徴(特異性)を捉えるために、中国と周辺との間の地域秩序と近現代の中国の歴史を中華文明の観点から考察した。得られた結論は次の六点である。まず、①中華世界は、華夷思想を下に、南方・東方と北方・西方との間にまったく異なる歴史的な地域秩序を形成してきたが、それが近現代において異なる歩みを辿る要因となっている。②19世紀中葉、「上下・優劣関係」を基礎に秩序を構想する中華文明がまったく異なる秩序観に立つ西欧文明に出会った際に受けた衝撃は、圧倒的な経済力と軍事力、および「並列・対等」を旨とする国内・国際秩序観であるが、その二つの衝撃(経済システムの近代化と政治システムの近代化)が「中国近代史の主題」となった。③中国は20 世紀初頭までは「立憲主義に基づく漸進的な近代化」(政治システムの近代化)を目指していたが、その後「革命による近代化路線」が選択され、それが1949年の新中国建国につながり、「中国近代史の課題」は先送りされてしまうことになった。④現代中国は、確かに改革開放政策によって経済力と軍事力は手に入れたが、伝統的な秩序観を色濃く残す政治システムの近代化は依然として実現できていない。⑤経済システムはその前近代的な政治システムによって大枠が規定される特異な形態(「社会主義市場経済」)を取ることになってしまっており、経済が豊かになれば政治が民主化されるという一般的な図式は現代中国においては、成り立ちそうにない。⑥それゆえ、現代中国と周辺との関係は決して容易なものでない、ということである。}, pages = {61--80}, title = {東アジアの地域秩序と社会経済システム : 中華文明の観点から}, volume = {68}, year = {2018} }