@article{oai:kansai-u.repo.nii.ac.jp:00022114, author = {壽里, 竜}, issue = {4}, journal = {関西大学経済論集}, month = {Mar}, note = {デイヴィッド・ヒュームが『道徳・政治・文学論集』の諸論説と『イングランド史』において「確立したもの what is established」を重視したことは、研究者の間ではよく知られている。他方、ヒュームは論説「迷信と熱狂について」では突発的な熱狂の蔓延が短期間で収まるという楽観的な見解を示している。本論の目的は、しばしばヒューム研究者の間で強調されてきた上記二点を再検討するために、「騎士道と近代的名誉に関する歴史的論説」と『イングランド史』におけるいくつかのトピック(十字軍・騎士道・ピューリタンの性格描写・カトリック陰謀など)に関する記述を分析することで、以下の三点をヒューム自身が認識・理解していたことを明らかにすることにある。第一に、自然から乖離して生じた特異な文化や生活習慣がつねに短期間で収束するとは限らないこと。第二に(第一の点が正しければ)、諸制度や慣習は、その起源の自生性や持続期間によって正当化されないということ。第三に、その慣習や制度の内部にいる人間には、当該の慣習や制度のもたらす利益や正しさを判断することが極めて難しい、ということである。以上の三点を主に政治的認識論という観点から考察することで、異常な行動様式と尊重すべき社会制度のいずれもが同一の心理メカニズムから生じ、長期的に持続しうるとヒュームが考えていたことを明らかにする。, 植村邦彦先生退職記念号}, pages = {339--361}, title = {想像力・意見・熱狂:ヒューム騎士道論と『イングランド史』}, volume = {71}, year = {2022} }